子供の矯正は歯列矯正との2段階
矯正治療の目標は、永久歯での歯並びや噛み合わせをきちんとすることです。乳歯も残っていてこれから永久歯に生え変わっていく小学生などは、早期からの準備的な治療と、永久歯になってからの歯列矯正の2段階で矯正治療を進めます。
子供の時期だけでは治療が完結しないことがほとんどで、全て永久歯になった後で歯列矯正のみで治療することも可能ですが、成長発育のある子供の時期から矯正治療をしたほうが、多くの場合スムーズに良い結果が得やすくなります。
子供の頃から矯正治療を始めた方が良い理由
歯の生え替わりの時期には顎顔面にも様々な成長発育があります。
早期からの矯正治療では、最終的な永久歯列への成長発育をより良く誘導するために、タイミングに合わせて治療をします。変化の旺盛な成長期から矯正治療をおこなうことにより、永久歯列や顎顔面の骨格などが完成した後の歯列矯正よりも、有利に矯正治療を進められることが、子供の頃から矯正治療を始めた方が良い理由です。
矯正治療の開始時期
歯の生え替わりや顎の成長発育のタイミングにより矯正治療の内容や時期は異なります。
それぞれのお子様に効果的なちょうど良いタイミングで、早すぎず遅すぎず矯正治療を始められるようにオススメします。
参考 一般的なめやす
タイミングを逃さないようにすることが大切ですが、年齢的に早すぎてもまだ矯正治療ができない時期の場合もあります。例外はありますが矯正治療の内容や、子供本人の理解や頑張りなど総合的に考慮すると、7~8歳ごろのチェックがおすすめです。
、上あごの前歯が3~4本永久歯となった頃にいちど、矯正治療の時期や内容について矯正歯科にご相談されることをおすすめしています。
重要 反対咬合の場合
例外的に前歯が反対咬合の場合はできるだけ早期からの治療開始をおすすめします。
複雑な処置が難しい幼少時でも、矯正装置を作るための印象採得(歯形の採取)を要しない既製品の歯列矯正用咬合誘導装置(ムーシールド等)などを使用して、できるだけ早期からの治療開始をはかります。
早期から前歯の噛み合わせの改善をはかることが大切です。
子供の矯正こそ矯正歯科で
矯正治療のゴールは将来の永久歯の歯並びと噛みあわせをきちんとすることです。
その時その時で気になることがたくさん出てきますが、目前の悩みに都度対応するというよりは、将来の永久歯の歯並びや噛み合わせ、成長発育の時期など全体像を見通して矯正治療をすることが大切です。矯正歯科では「いますぐ子供の時期におこなうべき治療」と「あえて子供時代にはおこなわず、時機を待つべき治療」「永久歯列期の歯列矯正でおこなう治療」を計画的に判断して行います。
ほとんどのお子様が最終的には、永久歯列の時期に歯列矯正での仕上げが必要になります。
子供時代の矯正・咬合誘導から最終段階の歯列矯正まで一連の治療とできることが、最初から矯正歯科で、子供の頃からの矯正治療をおすすめする理由です。
- 一期治療(第一段階):主に小学生ごろ、乳歯が残っている時期から永久歯が完全に生えそろう頃までの期間
- 二期治療(第二段階):永久歯がすべて生えそろった後の歯列矯正。不正咬合の種類によっては、身長が伸び終わるまで開始を待つことも
矯正治療のながれと費用
矯正治療が始まるまでに、【初診相談】、【検査】、【診断】が必要です。
step
1初診相談(3,000円+消費税)
- 矯正治療全体の流れ
- 開始時期や通院頻度、期間
- 矯正装置
- 費用
など患者さんの状況にあわせ概要をご説明します。
詳細な治療方針などは、実際に検査をしたあとの診断時でのご説明となります。
step
2基本検査(30,000円+消費税)
- 口腔内写真撮影
- 顔貌写真撮影
- 印象採得(上下の歯形の採取)
- レントゲン撮影
など、矯正治療の計画を正しく判断するための検査です。
なかでも、矯正治療専用のレントゲン撮影(セファログラム)は重要です。
step
3診断(21,000円+消費税)
- 現状のご説明
- 矯正治療計画のご説明
- 具体的な矯正治療のながれ
- 注意事項など
- 費用・支払い方法等
検査結果に基づいた矯正治療の計画などを詳しく説明します。
step
4一期治療の開始
- 基本技術料+矯正装置費用として325,000円+消費税
- 応急処置以外の診察ごとに処置調整料として4,000円+消費税
- 参考 【ご家族割引(50,000円)】ご家族、ご兄弟が当院で矯正治療中の患者さん
- 参考 基本技術料+矯正装置費用は手数料なしで分割払いも可能です。
- 歯を動かす処置では月1回の通院、それ以外では概ね3~6ヶ月に1回程度の通院となります
- 二期治療(歯列矯正)の開始直前までの治療が【一期治療】となります
- 二期治療の開始前に再度、検査と診断を行い矯正治療計画をたてます
重要この時期の治療内容や使用する矯正装置は、不正咬合の状況や患者さんの成長発育のタイミングなどにより、それぞれ異なります。
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5永久歯列になったら...
再検査(4,000円+消費税)
- 最終的な歯列矯正の計画を立てるための検査です
- 初回検査とほぼ同じ内容です
重要二期治療の開始時期は、患者さんの状況によりそれぞれ異なります
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6再診断(15,000円+消費税)
- 最終的な歯列矯正(二期治療)の方針・計画を定めます
永久歯の抜歯の必要がある場合などは、この診断で治療計画が決定します。
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7二期治療(永久歯列の歯列矯正)
- 基本的に月に1回の処置を繰り返します
- 治療期間の大まかな目安は、非抜歯治療で1年〜2年未満、抜歯症例で2年~3年程度です
ご希望により矯正装置の選択が可能です
- 表側のブラケット場合:基本技術料+装置費用450,000円+消費税、処置料4,000円+消費税
- アライナー(マウスピース)矯正の場合:基本技術料+装置費用450,000円+消費税、処置料4,000円+消費税
- 舌側(裏側)矯正の場合:基本技術料+装置費用900,000円+消費税、処置料6,600円+消費税
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8保定観察
- 半年に1回程度の経過観察(メンテナンス)です
- せっかくの矯正治療結果を保つために、リテーナー(保定装置)を使用します
- リテーナーの紛失、破損、不適合などはできるだけ早くご連絡ください
- 来院時の処置料4,000円+消費税
治療内容:矯正装置を装着して歯を少しずつ動かし、歯並び・口元を整えていきます。
治療期間及び回数:一般的には動的治療期間1~3年前後/月に1回の通院・保定期間2年前後/3~6か月に1回の通院
一般的な治療費概算(自費):1期治療 約35~45万円、2期治療 約55~75万円 ※症状や矯正装置による
リスク・副作用:
・個人差はありますが、初めて装置を付けた時は疼痛や圧迫感などが生じます。
・リテーナーを使用しないと後戻りがあります。
・治療前後の比較で稀に歯根吸収が見られることがあります。
・稀に歯が癒着していた場合、動かないことがあります。
・不正咬合の状況により、歯肉退縮やブラックトライアングルが見られる場合があります。
※ 矯正歯科治療は公的健康保険の対象外の自由(自費)診療となります。